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【抗がん剤曝露対策】抗がん剤投与後に本人、家族が気をつけることとは?薬剤師が説明します。

こんにちは。

 

くすりドクターです。

 

 

 

現代の日本は「2人のうち1人は癌に罹患する時代」と言われています。

 

私が、抗がん薬を使用した患者、家族に対して伝えている事を書いていきたいと思います。


今回は抗がん薬の曝露対策について書いていきたいと思います。

 

それではいきましょう!

 

 

用語の定義

 

がん薬物療法

 

 がん細胞の生存や分裂・増殖に必須の代謝経路や標的物質を阻害することにより抗腫瘍効果を発揮する薬物(抗がん薬)を用いた治療のこと。広義の抗がん薬には、殺細胞性薬物、分子標的治療薬、ホルモン療法薬、免疫療法薬が含まれる。

 

 

Hazardous Drugs(HD)

 曝露によって健康被害をもたらすか、または疑われる薬品のこと。

 

 

HDの曝露対策 

 

HDの投与後の患者の排泄物・体液には、投与後一定期間、HDの残留物と、薬剤の活性代謝物が含まれる。ただし、HD排泄率は、投与量・投与経路、患者の肝・腎機能の影響を受ける為、個人差を考慮する必要がある。一般に、薬剤の大半は投与後48時間以内に排泄されるため、HD投与後最低48時間は患者の便・尿・吐物、血液、大量の発汗等およびそれらにより汚染したリネン類への接触は曝露の危険性があると考える。

 

 

HD投与後の最低限48時間の患者の排泄物・体液の取り扱い

 

・排泄時は周囲への飛散を最小限にするように注意を促す。例えば、可能なら

 男女とも様式便器を使い、排尿時は男性も座ってしてしていただく。

 

・トイレを流す際は、便器の蓋を閉めてから流す。

 

・可能であるならHD投与患者専用のトイレを区別する。

 

 

HD投与後の最低限48時間の患者のリネン類の取り扱い

 

・HD投与後48時間以内であっても、排泄物等による明らかな汚染のないリネン類は、施設における通常の方法(手袋・マスクなど)で取り扱い、洗濯の際も区別する必要はない。

 

・HD投与を受けた患者の便・尿・吐物、大量の汗等で汚染した衣類、リネンは洗濯は2度洗いする。1回目は患者のリネン類だけ分けて予め洗い、2回目に通常の洗浄を行う。

 

 

抗がん薬を投与する患者や家族は不安になっています。薬剤師として患者の助けになれれば良いと思い日々対応しています。

 

 

癌の領域はまだまだ勉強不足ですが、ブログを使ってアウトプットして知識を定着させていきたと思います。

 

 

 

参考:がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン 2015年版